2021年08月25日、Discordの大手音楽BOT「Groovy」は08月30日限りでサービスを終了することを公式Discordサーバーにて発表した。
この発表は突然のものであり、まだ把握していない利用者は多くいる。
Groovyは2016年から提供していたDiscordの音楽BOTである。Groovyを利用することで、利用者はサーバー内のボイスチャンネルでYouTubeなどの動画の音声を再生できるというものだ。
Groovyは1.6億以上のサーバーに導入されており、世界中で利用されていた。サービス終了の背景には、YouTubeとの著作権が絡む問題があると技術系ニュースサイトTHE VERGEが報じている。
音楽BOTの著作権問題は数年前から問題になっていた。THE VERGEによると、GoogleはGroovyに対し、利用規約への違反を理由にサービスの停止を迫っていたという。YouTubeの公式アプリやサイトを経由しておらず、YouTubeに広告収入が入らないわけだから、BOTの利用者数が拡大するにつれ、Googleがこれを良いと思わないことは、当然と考えるべきなのかもしれない。
Groovyは5年以上活動してきたDiscordの音楽BOTであり、多くのサーバーで利用されてきた。しかし、音楽BOTを巡るGoogleとの問題は最近の問題ではない。数年前から、Discordの音楽BOTに対してGoogleがYouTubeへのアクセスが出来ないように対策を施し、Discordコミュニティで大規模な混乱が発生したことが何度かあった。このようなこともあり、Groovyのサービス終了は時間の問題であった。
また、Groovy同様、多くのDiscordサーバーで利用されている音楽BOT「Rythm」に対してTHE VERGEが取材した。Rythmの運営者はRythmのサービス終了に対し、否定的な見方を示した。Googleからのサービス停止要求があったかに対しては、明確な回答を得られなかった。
Groovy運営者は公式発表で、今後BOTとサポートサーバーは削除しないが、オフラインになる。利用者には引き続き最新情報を注視してほしいと述べた。
現在Discordでは、ボイスチャンネル内でYouTubeを他のユーザーと同時に視聴出来る機能「YouTube Together」が開発途中で、現在テストが行われている。この機能が今回の騒動と関係があるのかどうかは不明であるが、こちらの機能はDiscordが公式に提供する予定の機能であり、YouTubeを埋め込み視聴することから、規約を遵守しているとみられる。Discordが先日YouTubeとの連携を発表したことから、YouTube Together 機能は実質YouTube公認の機能といえるだろう。この機能が正式リリースされたとき、他の音楽BOTもGoogleから更にサービス停止を迫られることが予想される。